推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

劇場版『鬼滅の刃』無限列車編をとうとう観に行った話(ネタバレあります)

お疲れ様です。

長くなります。

 

 

タイトルの通りです。

観にいきました。鬼滅の刃を。映画館に。

 

10月から始まった映画が、まだ1日に複数のスクリーンを使用して上映されているという現状に改めて驚きつつも、このコロナ禍で「換気が行き届いていると証明されている映画館」という場所でヒットするもので本当に良かったなと思います。

 

炭治郎、お前は経済の柱になれ、みたいな言葉をネットでお見かけしました。

このご時世、全国で盛り上がれるものがあった救い、まさに炭治郎の心そのもののような……いや、この言い方では『テニスの王子様』の手塚部長が越前リョーマに対して言い放ったセリフの言い回しに近い。

そんなつもりはなかったのに、やっぱりテニプリの存在感はすごいや。

 

 

 

ハンカチを忘れた、と気が付いたのは、予約した席に座ったまさにその時でした。

 

ああ、これはまずい。

自慢じゃないけど、いつからか本当にちょっとしたことで泣くようになった。

必死に頑張っている人や、綺麗なものを見ると、すぐに涙が浮いてくる。涙もろいって、日常生活に支障をきたすような気もする。

 

周りの人に「コイツ何で泣いてるんだ……?」って気持ち悪がられたらどうしよう、って思うけど、心の中の炭治郎が「お前の友達がそんなこと言うはずないだろう!!!!!!」って必要以上に激高してくれるから、何とか心を保てている現状。

 

ありがとう、炭治郎。

 

とはいえ、本編開始前の映画の予告編の、ちょっとしたシーンだけで泣きそうになって先が思いやられる。

 

 

 

 

始まって周りを見てみると、人はそんなに多くなかった。密になることを心配していたのですが、いいタイミングで行けたようです。

 

ネタバレと言いつつ、ガッツリ内容に対して言及するつもりはない。ちょいちょい触れるくらいで行きたいです。

 

 

 

あらすじ(映画公式サイトより)

蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で鬼と立ち向かうのだった。

 

 

 

 公式サイトを拝見して初めて知ったのですが、テレビアニメで放送した物語には『竈門炭治郎 立志編』という名前があったそうです。

 

ただの『鬼滅の刃』じゃなかったんだ。

 

今後のアニメへの期待が高まります。

が、テレビアニメの続編が制作されたとして、映画を観なかったアニメ派の人たちが置いてけぼりにならないか、ちょっと心配。

あらすじも実際の内容も既にアニメシリーズありきでしたので……。

いや、おそらく面白く作ってくださるのだろう信頼にも似た気持ちはあるのですが、映画の内容が主人公たちの成長の大きなターニングポイントの一つと言ってもいいんじゃないかと思うし……。

アニメがまた始まる前に、地上波初放送って映画をやってくれるのかな。

 

 

 

さて。

 

突然ですが、私は『嘴平 伊之助』に弱い。

上半身裸、頭には彼曰く『山の主』だというイノシシの頭部の毛皮をかぶっており、野生児のようなキャラクター。野生児というか獣に近い。

好戦的で、強さを求めて一人生きてきた少年。赤子の頃に山に捨てられ、イノシシに育てられたという過去があります。

自分以外の人間に対してあまり関心がない、というか、粗暴で、強い闘争心をもっていて、そこに幼さもある、という近付いたら危ないタイプの生き物。

 

そんな彼が、炭治郎たちと戦う間に、『仲間』とか『協力』とかそういうものを知っていく。

 

そういうものに私は弱い。

 

映画の冒頭、無限列車に乗り遅れた善逸(仲間の一人)が線路の上を走りながら列車を追いかけ、飛びつく、というシーンがあるのですが、

 

仲間の為に当たり前のように伊之助が手を差し伸べる、

 

というただそれだけでダメだった。

「伊之助、おまえぇぇ……偉いぞぉぉぉ………」

ってなる。もはや我が子。もしくは孫。ひ孫でもいい。

 

人間誰に対しても協力出来るようになったわけじゃない、というところも大事なところで、彼が仲間だと思った相手に対してしか、その優しさや強さは見られない。

 

伊之助……………ちゃんと協力出来て、偉いね……………………

 

 

 

 

私は人が頑張っている姿にも弱い。

鬼滅の刃とか、全編それで構成されているようなものだから、もうずっと心がしんどい。

今回の映画は、煉獄杏寿郎という強いキャラクターが活躍する内容だった。(実際『煉』の字は火編に東ですが、非対応漢字のようで変換できませんでした)

 

彼ね、20歳なんですって。

 

もちろん今とは時代背景が違う。大正時代の20歳ってもう立派な大人なんだろうけど、そんなこと関係なく20歳ってまだまだめちゃくちゃ若いじゃんって思って、そんな彼が人の為に命をかけて前線に立っているというそれだけで泣く。

 

病気で亡くなった母親が「貴方が人より強く生まれたのは、弱い者を助けるためだ」と彼に言うんだけど、まず「貴方は強い」という言葉を正しく受け止めるのに強い心がいると思う。

母の言葉をそのまま背負う素直さもあって、それを原動力にして前に進んでいく熱い心を感じて、彼を嫌いな人間などこの世にいるのか、と思って、泣く。

列車内の大声と弁当を食べまくる、という振る舞いは現代であればネットで叩かれまくっていたとは思うけど、それでも彼の心の在り方はたくさんの人の支えになるんじゃないだろうか。

 

炭治郎のことを「竈門少年」と呼ぶ彼もまた若く、見せる笑顔は幼い。

 

煉獄さんに限ったことではないけれど、鬼滅の刃の原作を読んでいると、戦っている以外は皆ちゃんと年相応の顔をする。幼い。

そんな子供たちが命をかけて戦っているのを見て、しかも、自分の為じゃなくて、誰かの為に戦っていると知って、泣く。

上に立つ者の責務を全うしようとする、綺麗な心根が突き刺さって痛いくらいです。 

 

敵じゃなければ、守る存在

 

というのは単純明快で、でも実際守ろうとしたらすごく難しい。彼らは当たり前のように心に刻んで身体を動かす。

 

人間いつ死ぬか分からないんだから、もっと毎日やり切っていかないといけないんじゃないの? 自分も自由に動かせる身体を持っている以上、誰かの役に立ってこそじゃないの? と頑張る人の姿を見ては毎回思うのですが、今回の映画もそう思わざるを得なかった。

それでも行動に移すかどうかは別なんですけど、でも、そう思わせてくれる熱い映画だったなと思います。

 

 

 

 

 

私は『炎』にも弱い。いや、弱くなってしまった。

『炎』。映画の主題歌。テレビアニメの主題歌を歌っていたLisaさんの歌。

元々カッコいい曲だと思っていた。鬼滅の刃ブームで、音楽番組の何を見ても流れていたし、聞く機会はたくさんあった。フル尺じゃなくても、歌いだしとサビは本当にたくさん耳にした。

 

エンディングで聴いたら、もう、もう、あれはさ。

 

映画本編の後で流れる歌の最初が「さよなら ありがとう 声の限り」って。

そして映し出される煉獄さんの雄姿。

 

また一つ、聞くだけで泣きそうになる曲が増えた。歌詞も調べた。どの部分を読んでも苦しい。

だから言ったんだ、涙もろさは日常に支障をきたすと。

 

 

2時間15分の上映時間。座りっぱなしでお尻が痛くなる。

お尻が痛くなるのに、見終わったあと、すぐにもう一回見直したいなと思った。お尻が爆発しそうだったから止めたけど。

でも最後、あっという間で、エンドロールのあと、本当に何事もなかったみたいに、スッと映画館が明るくなって、心が置いてけぼりでした。

 

映画館で思いきり泣くことが出来ず、泣きつつもある程度の我慢した結果、頭痛を引き起こす。

帰り道の車内では、またしても音楽やラジオを一切聞くことなく、煉獄さんに想いを馳せる。

帰宅するとすぐに鬼滅の刃の原作を手に取り、無限列車編の内容にあたる7,8巻を読んだ。置いてけぼりの心を救済しなくてはいけなかった。

 

映画を見た後で読んで、分かる。

一コマずつが、本当に丁寧に描かれて、そうしてあの映画は出来てた。

どの場面も、映像とか声とか、ちゃんと思い出せる。

 

作画の良さは言わずもがな。

 

 

 観に行って良かったです。

 

 

 

 

 

 

そろそろ長いし終わらなきゃと思ったけど、敵勢に関して、何もだった。

 

『下弦の壱・魘夢(えんむ)』

人を眠らせ、夢を見せる。こういう肉体派じゃない戦い方のお洒落な感じ、好き。

列車との関係から、ファンたちの間で『トーマス』とも呼ばれているというネット記事を読んで、トーマスも迷惑だろうなと思っているところです。

声は声優の平川大輔さんが演じてらっしゃるのですが、物腰の柔らかい声質の中に、ねちっこさを入れ混ぜてきて、たいへん変態チックでした。

底意地の悪そうな声、最高でした。

 

 『上弦の参・猗窩座(あかざ)』

武闘派。強い者を見つけると「鬼にならないか?」と誘ってくる熱烈で厄介なスカウトマン。鬼殺隊の人間が「鬼になりたい!」というはずがないので誘いを断られたあと「鬼にならないなら若く強いまま死んでくれ」と無茶ぶりをしてくるまでがセット。

めちゃくちゃ強い。

ずっとスイカと同じアクセントだと思っていたのですが、メロンと同じアクセントだと映画で知りました。音声があるとこういう所で気付きがあって面白いですよね。

敵キャラですが、私は彼のことがけっこう好きで、映画、とてもカッコよかったです。

彼が足を強く踏み下ろして、地面に術を展開するシーンがあるのですが、映像になったら本当にカッコよかった、さっきからカッコよかったしか言ってないけど、カッコよかった。

アナと雪の女王で、エルサが足を踏み下ろして氷の城をワッと作り出していくシーンを雄々しく禍々しくした感じだと思ってもらえれば、大体合っています。

声が付くと原作以上に熱烈でしつこいスカウト、なんならストーカーの告白のようで、彼のやばさが伝わってとても良かった。

 

 

もう少し上映期間もあると思うので、機会があればぜひ、映画観に行ってみてください。

って今このタイミングであんまり外出を促すような文章はよくないのでしょうか、皆さま本当にお身体にはお気をつけて。

 

 

 

 

 

長くなりました!

温かくして過ごしてくださいね!

それでは!!