田舎者だからといって皆が得意なわけじゃない。
お疲れ様です。
今のアパートに引っ越してきて、初めての夏が来ようとしています。
夏です。
虫が、来ます。
何を隠そう虫が苦手。
分かるよ、虫だってこっちのこと好きじゃないでしょうよ。
「あいつら足2本しかないらしいぜ、バランス悪~、ウケるwwwwww」
とか思われていたとしても全然不思議じゃない。
幼稚園に通っていたころはそんなに虫が嫌いじゃなかった気がする。うん、ダンゴムシとか好きだった。手のひらの上でコロコロと丸くなる姿を楽しんで見ていた覚えがある。今は無理だよ、足多すぎない?
2本足ならいいとかそういうわけでももちろんない。
テラフォーマーズの敵キャラが目の前に現れたら逃げるっしょ。一緒。(一緒か?)
高校生の時にはもう確実に虫に対して苦手意識を持っていたので、その間に何か意識が変わるようなことがあったんだ。
あったかなぁ?????
覚えがない。
小学校のクラスで、アオムシをチョウチョに育てる、というのをやっていた。アオムシは可愛かったけど、さなぎからチョウチョになったことを覚えていない。育てていた子たちはどうなったんだっけ。
今ではチョウチョも、近寄ってこられると逃げる。
以前、婚活で知り合った男性とアジサイの綺麗な公園に行ったことがあった。あれは付き合ってみる前だったか、後だったか。これまた覚えていない。(ごめん)
アジサイってすごく色んな種類があるらしい。3000種くらい? だそうで、名前もカッコいいものから個性的なものまで様々で、色んな面で面白い植物だった。マジカル○○みたいなのもあった気がする。色合いが変わっていて、「なるほどマジカル」って納得して見ていた。面白かった。良かったらぜひ名前だけでも調べてみてほしい。
公園といえば、つまり外なわけで、天気の良い散歩日和。当然、虫たちも気持ちよく日向を飛行するわけです。
トンボ。
でかい。
ハチ。
怖い。
クモ。
やめて。
楽しみつつ怯えて歩いた。
チョウチョが結構飛んでる。
「ひええ」ってすっごい情けない声を出したら、その男性は言うのです。
「大丈夫だよ、チョウチョだよ」
は???????????????????
虫ですけど??????????????????????
虫がダメな人あるある、というか、虫が平気な人あるある、というか、謎の「チョウチョは恐怖の対象ではない」という思い込み。
チョウチョも虫だから。
違うの、当たり前だけど、チョウチョが悪いわけじゃない、私がチョウチョに怯えているというだけのことだし、そして当たり前だけど「チョウチョだから大丈夫」と言った彼ももちろん悪いことなど一切ない。認識の差は誰しも必ずある。
虫の何が苦手って、避ける気がないんじゃないかってくらいギリギリを飛んでくるじゃないですか、そして体がそんなに強いわけでもない、潰してしまったら、壊してしまったら、とかも考えて、なんかもう全てが怖い。うっかり手で払ってしまったら、チョウチョの羽など、すぐにどうにかなってしまいそうじゃないですか、やめて、近付かないで、私は貴方を傷つけるかもしれない。傷つけたくないし、傷つけたら私も傷つくから!!!!
……公園は公共の場です。ひらけた場です。皆のものです。人も虫も等しく太陽の日を浴びることが出来る場です。虫が嫌なら私が行かなければいい。飛んでいる虫に対して文句を言うだなんて、烏滸がましいにもほどがある行為です。と思う。
ゆえに私は普段静かに暮らしている。
家の中で。
……家の、中、も。
……入ってくるよね。
私は家賃を払って今のアパートに住んでいる。虫は不法侵入にならないの、なぜ、私、あなた、なぜ勝手に入ってきて、勝手に出られないと暴れて、勝手にお亡くなりになるの、死体処理をさせないで、
もう入ってきて出口が分からないのは仕方ない、一つ屋根の下暮らすのも、まあ仕方ないでしょう、でも視界には入らないで、死んでしまう前に外に何とかして出て、それが出来ないなら、
せめて、せめて、
や、家賃を払って……。
珍しく声を張ってしまったので、落ち着いたものが読みたい……
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ISBNコード:9784488441111
生まれついての聴き屋体質の大学生、柏木君。愚痴やら悩み相談やら日常の謎やら、今日も彼の元に持ち込まれる。
柏木君が普通の男の子で、誰のことも否定しない拒否しない落ち着いた子なのですが、癒し。お人よしキャラが周りの濃いメンツに振り回される系ミステリです。二作目も合わせてどうぞ!
いやぁ!!! 夏!!!!
楽しみだなあ!!!!!!
カーテンを大きく開けて、窓から外を見る。
日差しを受けて、向かいにある畑の野菜たちが青々と輝いている。
うん!!!!!
虫、多そうだね!!!!!!
それでは!!!!!!!!