『言の葉の庭』
お疲れ様です。
梅雨ですね。雨ばっかり。
いつ温かい布団を洗濯して干せばいいのか。
晴れ間を逃すな、という強迫観念にとらわれそうです。
さて。
『命だいじにガンガンいこうぜ』シリーズとは言いませんが、
前回の『天気の子』に引き続き、アニメ強化月間で見たものの話をしていきたいと思います。
靴職人を目指している高校生のタカオ。雨の日の一限目は授業をさぼって、とある庭園で靴のデザインを考えることにしている。ある日そこで、明るいうちからビールを飲んでいた女性・ユキノと出会う。
声をかけると、彼女は万葉集の短歌を一つ口にしてその場を去る。
それからも雨の日になると彼女と会える。会話を重ねるうちに、タカオは彼女に惹かれていって……。
雨のシーンが全体の8割くらいある作品だそうです。
高校生男子が社会人の女性に恋をするんだけれど、彼らが会う時の背景はいつも雨が降っていて、ずっと雨ってなかなか無くて、そういう部分も印象的な作品だったなぁ。
降っている雨が優しかったり、激しかったり、より激しくて白くけぶったり、雨が何かにあたって弾けたり、歩くタカオの靴が濡れた地面に反射して映ったり、その地面が木なのかコンクリートなのかで全然反射の仕方が違ったり、雨ってすごく沢山の表情があるよな、それを私たちは普段目にしているはずなのに、こんなにしっかり認識していないよなって思わせる画面の情報量でした。
私の視力が低いからかもしれませんが、肉眼で見る雨より断然キレイ(笑)
それくらいアニメーションでありながら写実的。
光の反射とか、とにかく人工の光がある場面が少なくて、自然の光がキレイなので見てほしい。
50分くらいの短めな映画なので、気負わずに見られるところも好き。
『言の葉』を『言葉』という意味でしか知らなかったのですが、『和歌』を指す言葉でもあるのだと知って、知った後はさらにユキノが口にした和歌の存在感が増します。
『天気の子』も雨が多い作品でしたが、あちらは雨と同じくらい晴れの印象も強く感じました。
『言の葉の庭』は、本当に、雨、雨、雨、って感じで、それでも単調ではなくて、素敵。
雨って勢いが怖い時もあるけれど、基本的には好きだなって、映像を見て思わせてくれる。
何より「キレイだ」っていう感想が大きい。
あと、主題歌。
秦基博さんが歌ってます。
大江千里さんの『Rain』という曲をカバーされたそうです。
白状するならば(?)、秦基博さんの『Rain』を聞いて、好きだと思って、この作品に興味を持ちました。
『Rain』を聞いて、映画を見て、あれ、あんまり作品とリンクしないなと思ったら、既存曲のカバーだったことを知り……。
それとは別に、秦さんが『言の葉の庭』のイメージソングとして作られた『言の葉』という曲があって、そっちはもう、映画のやつだ、彼らの歌だ、とすぐに分かる、優しさと希望が溢れる歌でした。
こちらは映画には使われていない曲なので、映画と一緒には得られないけど、是非。
梅雨の季節、続く雨に鬱々としてしまいそうですが、雨の魅力たっぷりの映画を見れば、「雨も悪くないかも」って思えるかもしれない、ので、この今、いかがでしょうか。
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