推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

とはいえ接客してくれたおっさんのことはまだ覚えている。

お疲れ様です。

 

突然ですが、お風呂に入っていた時にふと思い出した。

もう一つ前のお引越しをした時のことです。

 

お引越しをすると、新しい場所で必要なものは思っていた以上に沢山あって、市役所から始まり、これからその土地でお世話になるところに登録をしたりという作業が忙しい。何かあったらお力を貸してください、お金を払うので、というアレである。怠ると、いざという時の安心がなくなるのでとても大切。

 

私にとっては車屋さんもその一つ。

車検とかタイヤとか、安いところを探せる人はたぶん詳しくて自信のある人だと思う。車のことはよく分からんからお任せしたい、という人間なので、メーカーの窓口に頼りたい……。

 

某自動車メーカーのディーラーに行くと、40代くらいの男性がすぐに「いらっしゃいませ」と笑顔で出迎えてくれた。

 

良かった、優しそうな人だ。

 

専門的な場所は自分が詳しくないと余計に不安になるし、何か変なことを言わないか心配で緊張してしまう。

席に案内してもらって、お互いに着席してから「引っ越してきたのだが、前に居た場所でお世話になっていたので、こちらでも継続してもらいたい」と伝えると、私の拙い説明に相槌を打って聞いてくださった。

私の話の意図が伝わるまでは口を挟まずにいてくれたので、ゆっくり話すことが出来たと思う。

 

「なるほど、んー、じゃあ、くりこさんは優しそうだから、新しく来た子を担当にしてもいいかな? 教育のお手伝いしていただくというか、ふふ」

 

うむ。

前々から感じてはいたんだけど、どうにも初対面の男性に舐められやすい。

 

気のせいかもしれない。被害妄想かもしれない。そもそも舐めているのではないのかもしれない。元々こういう砕けた雰囲気の接客をする人なのかもしれないし、私相手だから、ではなく、女相手だからこういう雰囲気なのかもしれない。

特に顔や態度に出すことはないけれど、これって、例えば男性相手だったら同じように言っただろうか、とかたびたび考えてしまう。

 

てっめ、このやろ、舐めてんじゃねえぞ(小者感)

 

 

接客業の経験がある身としては、もちろんお客様によって口調は変えたりする。例えば子供相手だったり……

 

ん。

 

あれ、もしかして子供扱いされていたのか……?

 

そういうことなのか……?

 

そっか……。

 

女だから、とかいう理不尽極まりない理由で扱いが軽くなるなら、どうしろってんだ、とモヤモヤもするんだけど、私自身のせいとなると……、え、ううん、なかなか、ううん、そっか。

 

お父さんお母さんごめんなさい。

立派な大人ってやつになるのは難しくていけねえや(笑)

 

おじさんには舐められたように感じたけど、まあ、良い言い方をすれば「威圧感を与えない生き物」ということだよな、と思うことにする。

緊張している新人さんのためになるのなら嬉しいなと思って、その時の私は「私でお役に立てるのなら」とか調子の良い返事をしていたような気がする。

ザ☆八方美人。

 

 

でも、私は知ってるんだ。

緊張の中、優しく応援してくれる人のありがたさを。

私は覚えてるんだ。

初めてのアルバイトで、レジを打った時のことを。

緊張で震える手で何とかお釣りを渡した時、そのお客さんがすごくすごく優しかった。30代くらいのスーツを着たお兄さんだった。お釣りを渡し終えたらお兄さんは、「初めて? 頑張ってね!」と言ってくれた。

本屋で働けることが楽しくて、でも緊張する瞬間が多くて、そんな中でのことだった。嬉しかった。人生で初めてレジを打ったお客さん。まだずっと覚えている。

 

だから私も。

失敗に怯える必要のないような、その人の初めてのお客さんになれればいいと思った。せっかく「威圧感を与えにくい人間」らしいのだから、自分の為、人の為に有効活用していきたい。無理のない範囲で(笑)

そう思い続けられるように、心に余裕を持って生きていきたいよね。

何度でも言おう。

私にとって、心の余裕はとても大切。

 

 

 

心の安定には、やっぱ好きな本だよな!!!!!(大声)

卵の緒(新潮文庫

著者:瀬尾まいこ 出版社:新潮社

ISBNコード:9784101297729

瀬尾まいこさんの作品が大好きです。

「本を読みたいけど、何かオススメある?」と私に聞いてくださったスタッフさんには、大抵こちらも薦めてしまいます。どんな話が好きそうかヒアリングして他の本も紹介しつつ、「お好きかどうか分からないけど、私は一番好きなんですよね、そこまでぶ厚くないから読みやすいし」とちゃっかり毎回誘導してしまう。これはもう癖かもしれない、というほど自然にオススメしてしまう。

よっぽど、ハードボイルドな話しか好きじゃない、とか、歴史小説しか愛せない、とか、スリルがなきゃ小説じゃない、とかいう人でなければ、今のところ100%「面白かった」「良かった」と言っていただけています。その度に私はニッコリしてしまう。素敵な本です。

「優しい本が読みたい」とか言われたら、これはもう勝利ですよ。

ぜひ。(威圧感)

 

 

嬉しかったことや楽しかったことってどんどん積み重なっていくのに、けっこうしっかり覚えていることが多い気がします。それってすごく幸せだなあと思います。

そういう記憶だけで心が溢れたら最高だなって思うので、これからもプラスのことを積極的に感じていけたらと思います。

 

脳内お花畑ヤロウですが、しばらくお付き合いいただければ幸いです。

 

それでは良い夢を!

マイナスのことは問題なければどんどん忘れていこうぜ!