推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

探し物はなんですか、見つけにくい本ですか

お疲れ様です。

 

3回目のワクチンを打ちました。

以下、レポです。

 

腕が痛くなりました。

 

以上です。

 

 

 

……本当に何も起こらなかった。

 

腕が腫れたか見てみた時に、元々腕が太いことを再確認しただけになって、ちょっと笑ったくらいです。

 

 

良い腕してるな、健康的だぞ!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

最近「23時には寝よう」ということで、

遅い時間から書き始めたこの記事、

 

時間との勝負だぜ!!!

 

って見た時計が『23:06』で

どうやらスタートから負けているようなのですが

そういうこともあります。

 

 

そういうことも、よくあります。

 

 

 

さがしもの(新潮文庫

著者:角田光代 出版社:新潮社

ISBNコード:9784101058245

「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」(中略)九つの本の物語。

(裏表紙のあらすじより)

 

いつか読みたい、いつか読みたい、と思っていた本をようやく読めました。

文庫担当をしている間、棚には永遠にあるし、帯は推してくるし、夏の文庫100冊フェアの時も絶対にいる。

 

「面白いぞ~、面白いぞ~」

「本好きにはたまらないぞ~」

 

と、ずーーーーーーーっとニヤニヤした顔で誘われているような気分でした。

 

ようやく読めました。

 

読んで、素敵な本だなぁ、と思いました。

 

もしかしたら、有名な本を読めたことに対する満足感だけかもしれなくて、

それは新幹線から富士山を見つけるとつい写真を取って「富士山ステキだなぁ」と思うのと同じかもしれなくて、でも、良いなぁと思ったのです。

 

なんというか、紙の本はこれからも大丈夫だ、と強く思わせてくれる作品でした。

 

 

この文庫が発行されたのが平成20年の11月だそうです。

当たり前のように、読み物は紙。

 

電子書籍がいつ頃から「わ、紙媒体が危ないかも」と思わせるような存在になっていたのか、もう覚えていないのですけれども、

 

紙の本はこの先大丈夫かなって、その気持ちはずっとあって、

でも紙は無くならないよ、っていう不思議な自信もずっとあって

 

その自信を後押しする1冊でした。

 

 

色んなものがデジタル化していく中で、アナログだからこその魅力があって、でも便利さの影に少なくなって。

 

そういう中で、この本を読んで、

 

本に限らずですけど、

 

実際に「本を手に取る」内容の物語がこんなに楽しまれているなら、

本を、重みや手触りとともに誰かに渡す物語がこんなに楽しまれているなら、

 

大丈夫だ。

沢山の人が、アナログを必要とし続けるよ、きっと。

 

と強く思えました。

 

 

本との出会いがたくさん描かれた作品です。

 

たまたま旅先で出会ったり、

知らないうちに手元にあったり、

誰かの為に探したり、

忘れていたことを思い出したり。

 

本が関わる人間関係もあります。

 

 

これはフィクションであって、実際に本が人を繋ぐかと言われたら、分からないんですけど、

 

でも確実に、読者は作者の言葉に出会ってるわけで、

 

他の人も同じ本を読んでいて、

 

「この本はいいぞ!」ってたくさんの人が同じように思って、

 

ずっと本屋に並べられているのって、それって、

 

そのことを「繋がりだよね」と言われたら、私は頷いてしまう。

 

 

「売るぞ」っていう業界全体の気合が入った本が書店で手に取られる瞬間が、好き。

 

 

 

デジタルもいいよね、そこから作品の良さが気軽に情報として広まって、作家さんのところに声が届きやすい、

 

とも思えるようになったから、電子書籍滅びよ! とかではない。

 

 

 

何を言いたいか忘れたね。

いつものことだね。

 

 

とにかく

 

私は紙の方が好きってだけ。

 

紙好きで大丈夫だよ、ずっとあるよきっと、って改めて思わせてくれたこの1冊がたまらなく好きってだけ。

 

ぜひ。

夏の文庫100冊フェアを待たずとも、ずっと棚にいらっしゃるだろう本だから、きっとすぐ見つかります。

薄めで読みやすい本です。