推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

天気予報も見なければ、人の顔も見ない

お疲れ様です。

 

早朝のゴミ捨ての時間帯が涼しくて気持ちよくなってきました。

そのままどこか散歩に出かけてしまいたくなりますが、部屋着でフラッとサンダルつっかけて出てきているので、そっと家に戻ります。

 

今日も元気。

 

 

 

先日、突然の大雨に降られた日がありました。

 

と言っても、普段からあまり出かける前に天気予報を見ないだけなので、たぶんちゃんと天気を確認していたら避けられることだったとは思います。

 

天気予報を見ないので、折り畳み傘をいつも持ち歩いています。

 

良いことなのか悪いことなのか。

 

 

とにかくその日は、二つ用事を済ませたくて車で出かけていました。

 

家を出るときに既に少し空が暗いかな、とは思っていたのですが、一つ用事が終わったところで雲が一気に厚くなって、ポツポツと。

 

これはもう、5分後には大雨になるやつじゃないか?

 

予感は的中し、もう一つの用事を中止して家に帰る頃には運転するのが嫌になるくらいの豪雨になっていました。

 

 

ギリギリセーフ。

 

 

アパートの駐車場に入ると、私が車を停めるところの隣にある自転車置き場にご高齢の男性がいらっしゃった。

 

雨宿りしてる。

 

何かに体重を預けているように見えたので、杖をついているのだと思った。

 

 

あまりの雨の勢いに私もすぐに車を降りる気になれなかった。

一瞬でも弱まったら、玄関まで走ろうと思って、少し車の中から外を伺ってみる。

 

 

男性も、雨の様子を伺いつつ、機会を待っているみたいだった。

 

 

まだこの雨は続きそう。

 

頑張って帰るんだろうか。

家は近いんだろうか。

 

ご高齢、杖、歩き、転倒、視界不良、事故、……あわわわ

 

 

良くない想像の連鎖は止まらず、とうとう声をかけることにした。

家が近いなら送っていこうと思って。

 

 

窓を開ける。

 

 

「あの、良かったらお家まで送っていきましょうか?」

 

「はい??????」

 

 

豪雨。

 

 

「お家この辺りですか?!!?!? 良かったら車でお送りしましょうか?!??!!!?」

 

「はいぃ!!?!?!!??!?!」

 

 

ちょっと豪雨、協力して。

 

 

「お家近くだったら、送っていきましょうか!!!?!?!!?!?!!?」

 

「ああ!!!! いいよ!!! 大丈夫!!!! ありがとう!!!!!」

 

 

全然遠くないのに、めっちゃ声張った。

でも学生時代はもっと大きい声出てたはずだから、もっとやれるよ自分。

 

 

大丈夫とは言われたものの、すぐに止むとは思えない。

すでに濡れていたら暑い日でもないから風邪を引いてしまうかもしれない。

 

自転車置き場は、車と玄関の間にあるので帰りがてらもう一回だけ聞いてみるか、と私も自転車置き場に入る。

 

 

「本当に大丈夫ですか?」

 

 

振り返った男性の顔を見て、あっ、って思った。

 

 

ノーマスクってやつや。

 

 

全然顔見てなかった。

 

たぶんフラッと散歩に出ただけだったんだと思う。

手荷物もないし、人のあまり通らない道の散歩なら、マスクをしないでもまぁ大丈夫かなと私も思う。

 

「いいよ、ありがとうね、弱まったらその時に帰るから」

 

断ってくれて、ものすごくホッとしてしまった。

 

 

断られるまでのコンマ数秒で、考えた。

 

もし「じゃあ送ってもらおうかな」って言われたら、怒られるかもしれないけれど、不愉快に思われるかもしれないけれど、家に戻ってマスクを一枚持ってきて、「申し訳ないけれどマスクだけつけてもらえます?」って言わなくちゃいけないだろうか、とか。

 

 

見知らぬ男性を車に乗せる、というところで覚悟して声をかけたはずなのに、まだ覚悟が足りなかった。

 

 

コロナが人と人との距離を遠ざけてるんだよなぁ。

 

 

友達が少ない出不精でもそう感じるのに、外に出るのが常だった人はどれだけ苦しいだろう、とこういう時、改めて思う。

 

本当は朝のゴミ捨ての時、同じタイミングで来た人に「おはようございます」とか言いたい。

 

その、声かけても大丈夫そうな人にだけですけど(笑)

 

 

そういうちょっとした声掛けも、なんだかしづらい。

 

 

結局私はそのまま家に入り、カーテンの隙間からそっと男性が立ちすくんでいるのを覗き見た。

 

20分くらいはそこに居らっしゃったと思う。

じっと見てても意味ないやと思って家のことをやり始めたら、あっという間に頭から男性のことがすっぽ抜けてしまって(笑)

 

あ、そういえば、帰れたかな、って覗いたらいなくなってました。

 

帰れたのね、良かった。

お家まで無事にたどり着けていると良い。

 

 

ちなみに男性は杖をついていませんでした。

自転車置き場の私の自転車に寄っかかっていただけでした。

 

まぁ、休憩できたなら何よりだよ。

 

 

観察力を磨きたい。

いつか何か重大な事を見逃すような気がしてならない。

 

いや、たぶん今までに沢山のものを見逃しているとは思ってる。

 

気付かないものは、無いことと一緒だからな……。

 

気付ける人間になりたいな……。

 

 

 

 

そういえば、以前オススメした『束の間の一花』の最終巻が発売されました。

『束の間の一花(1)』(タダノ なつ)|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp)

 

大病を患う二人、物語はどう締めくくられるのか。

 

こちらのリンクには試し読みもありますので……ぜひ……。

 

 

 

 

気温差が激しい日々ですので、皆さまお身体にはお気をつけて。

 

そして花粉がくる。

 

強く生きましょう。