豚小屋風味事件(解決編)
お疲れ様です。
前回、自分の作った料理を目の前に「豚小屋のような臭いがする……」という心無い言葉を私が吐き出したわけですが、
人が作った料理に対して言っていい言葉じゃなくない????
と思って、もう少し言葉を探しました。
探すというか、直感が『豚小屋』だっただけで、いわゆる『獣臭い』というか、魚ならば『魚臭い』と言われる類の臭いです。
『魚臭い』というのも、
漁港の臭いがする……
と思うことがあるので、そう思うと、「豚小屋の臭い」もあながち酷くないような気がしてきます。
自分の作ったものにしか言えない感想ですが、とにかく私にとっては、獣の臭いよりも、豚小屋の臭いの方が記憶にあるし、漁港の臭いも馴染みがあるものである、というただそれだけのことなんだろう、と結論付けました。
豚肉を使った時に、クセのある臭いの料理が出来上がってしまったな、と思ったことは、そういえば今回が初めてではない、ような。
たぶん何回かあります。
今回、自分の心無い感想によって、切ない気持ちになった私は、
そもそも獣臭さとは何ぞや
と思ってネットの海に飛び込みました。
……たまに思うのですが、子どもの頃よりも好奇心が旺盛な気がします。
気軽に、お手軽に情報に触れられる時代に生きていてよかった。
で、たぶん嘘ということもないのかな、とは思いつつ、ネットの情報なのでふんわり受け止めたのですが、
豚肉を使った時に、獣臭さが出てしまうものは、雄豚であることが原因として多い
とのことです。
今回私が買ってきたこの豚は雄だったのかな……などと考え、そういえば自分が食べている食材が生前、いや食べられている今も? 雄か雌のどちらかである、ということを考えたことがなかった、と気が付きました。
牛乳は雌の牛から頂いたもの、という事は考えたことがあるけれども。
ああ、牛の話になってしまう、今日は豚の話です。
豚の雄特有の臭いというものがあるそうです。
成熟した非去勢豚の豚肉や豚肉を加工したものを調理した時に感じられるものだそうで、つまり私の料理の腕のせいだけではない可能性も、無きにしも非ず。(?)
他にも、先祖返りによって、イノシシに近い臭いを持つ個体が生まれたり、
人間と同じく、食べた物の影響で体臭も変わるので、豚肉生産者が与えている餌のせいだったり、
そんな話を読みました。
何とか雌豚だけを生み出すことはできないか考えたり、良い香りがするお肉を作るために、餌をハーブにしたり、など生産者の方たちの試行錯誤も読んだりして、
そうか、そういう努力があって、私たち美味しいものを口にしているんだよな、としみじみ思いました。
食材を作るって、すごい仕事だ。
人の口に入るどころか、人間一人ひとりの血肉を作る手伝いをしているようなものじゃないか。
二日目には、「豚小屋みたいな臭い」も「クセのある料理」に変わり、慣れてきたのか特に嫌な気持ちになることもなく完食することが出来ました。
無駄にしなくて良かった。
こんな話から一体何をオススメすればいいんだ……と思いつつ。
真夜中のパン屋さんシリーズ(ポプラ文庫)
著者:大沼紀子 出版社:ポプラ社
東京都は三軒茶屋。真夜中にしか営業していないという不思議なパン屋さんがあった。オーナーの暮林、パン職人の弘基が働くこの店には、夜な夜な都会のはぐれ者たちが訪れて、騒動を引き起こしていく……。
人が良すぎる暮林さんと、イケメンだけど口が悪い弘基さん、居候女子高生の希実ちゃん、そしてお客さんたち。みんなそれぞれの事情を抱えながらも、人の心を思い遣ったり、思い遣れなかったりしながら共に過ごしていく。
心が温かくなる作品です。
ドラマ化もされました。気になる方はそちらも是非。
とにかく今、美味しいものが食べたいんですよ、その一心。
3日かけて、大量のそれを食べ切ったんです。
ただ切っただけのキャベツのなんと上手いことか。
何も余計なことはせず、素材の美味さをそのまま全身で受け取るだけが一番幸せなんじゃないか、とは思いつつ、でも生肉はダメじゃん、ダメじゃんそれは。
ということで、今後も料理はするでしょう。
ずっと言ってることなんですけどね、何回言っても言うことを聞かないので、今日も言います。
レシピを見て作りなさい。
自分に伝わりますように。
それでは、おやすみなさいませ。
ついでに、ナビも見なさい。