推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

これが春ってやつですか?(甘い味がします)

お疲れ様です。

 

 

先日、食料品売り場に行ったとき、

 

『新玉ねぎ!』

『新じゃが!』

 

という大きな文字を見ました。

 

 

うわ、春が来た。

 

 

そう思いました。

 

この「うわ、」には決して嫌な気持ちはないのですが、なんというか、望もうが望むまいが、季節は移ろっているのよね、というのを、こう、見せつけられるというか、

 

いいかい、君が変化しても、変化しなくても、時間は確実に進んでいる

これは確かなことなんだよ

 

と純粋な目で静かに語りかけられているような、そんな気持ちになります。

 

 

 

時間は季節なんていう大きなくくりじゃなくても1秒1秒着々と過ぎていくし、だからお腹もすくし、新物野菜はとても美味しいのを知っているので、新たま新じゃがも食べたい。

 

 

新たまを買いました。

生でサラダです。

 

美味しい。玉ねぎの味がする。

あの辛みが少ないね。

 

スープにもしました。

やけに甘味が強くて、美味しいけど、美味しいけど、私の好きな味とはちょっと違って。

なのでカレー粉とか入れてみて、そしたら漢方みたいな味になりました。

 

ふふ、ごめん。

また美味しいはずのものを変な味にしてしまった。

 

別のお家に買われていけば美味しく食べてもらえたのにね。

 

いつも食品に謝っている。

ごめん。

 

 

小学校のころ、イタズラしてきた男子が謝ってきたときに

 

「謝るくらいなら最初からやるな!!」

 

ってキレた子供だったのに、いつの間にか忘れてしまっていたのかしら。

本当は「謝るくらいなら…」の後ろに「バカが!!!!!!!」ってつけてやりたかったろうに、その辺り根性無しだったな。

 

今なら後ろに付けてしまえるんだろうか。

大声出すことないからなぁ。どうだろうなぁ。

 

 

 

 新たまも謝罪する私のことを見て、そう思っただろうか。

 

「謝るくらいなら最初からレシピに従え!!!」

 

それは、本当にごめん。

ナビにもレシピにも、意味もなく従わない生き物なんだ。

なんでだろうな。

味も道も迷子になるのに。

 

とにかく、謝らなきゃいけないことは、少ない方がいいんだろうな、

 

と、思います(笑)

 

 

漢方味のスープは、翌日には味が馴染んで美味しいカレー味になりました。

ああ、良かった。

新たまもスープの中で不安な夜を過ごしたことでしょう。

 

美味しいよ。

ありがとうございます、春の味。

 

 

 

 

冬になったらオススメしようと思っていたのに、気がついたら過ぎてしまったな。

雪の断章(創元推理文庫

著者:佐々木丸美 出版社:東京創元社

ISBNコード:9784488467043

迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。飛鳥の頑なな心は、祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化していくが……。

ある毒殺事件が起きたり、関係する人物が現れて、でもミステリの雰囲気は薄い。飛鳥の思うこと、感じること、動いたことの中に溶け込むみたいに事件についてのことが存在している。

ので、私はミステリものとして読んでいなかったな、と読み終わってから感じました。

 

毎年毎年、冬になるとオススメ本として紹介していました。

懐かしい。

タイトルが「冬のもの」と分かりやすくて、季節感が強いものを他の季節に出すのもちょっと魅力が半減するようで勿体なくて、だから肌寒くなってきたらここぞとばかりに展開していたことを思い出します。

 

某出版社の営業さんが、私のオススメを聞いては来るたびに買い物をしてくださって、この本もたしか、買ってくださったような。

私はそれが本当に嬉しくて、彼女は今も同じ場所でお仕事されているのでしょうか。

お元気で続けていらっしゃったらいいなぁ。

 

 

 

新たまは水分が多い。

傷むのが早い。

冷蔵庫で保管を。

そして早めに食べましょう、とのことです。

 

手にしたなら持ち帰ったなら大切にしたい、というモットーのようなものは、食品も本も何でも一緒ですので、なんとか美味しく食べてあげたい。

 

食べてあげたい……!!!

 

 

 

あ、思い出した(笑)

 

そのいじめてきた男子がその子のお母さんと家に謝りに来て、でも私、本当に怒ってて出迎えもしなくて、だから私の母だけその謝罪を玄関で聞いたんだ。

私は奥でそれを聞いていて、彼らが帰って玄関の扉が閉まった後で、泣きそうになりながら「謝るくらいなら最初からやるな!!!」って床に向かって叫んだのでした。

 

たしか。

 

うん、そうだった。

 変な事ばかり覚えています。

 

我ながら愛しい。

あの頃の私は、可愛げがあるな。

 

ちなみに『可愛げ』はあのAmazonにも売られていないので、今はもう手元にありません。

検索したので、間違いありません(笑)

今は在庫あるでしょうか。

 

 

その後、その子とはちゃんと仲直りをして、学校でよく話をする子になりました。

良かった良かった。