推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

恐らく地面から3センチくらい浮いてる

お疲れ様です。

 

 

 

 

嬉しいことがありました、へへ。

 

お仕事、増えた。

 

お仕事が好きなわけではありません。社会に参加できているのであれば、出来る限り楽して生きていきたいと常々思っているような人間です。

 

 

本を触るお仕事です。

だから嬉しい。

 

継続のお仕事ではなく、単発。

 

知り合いから連絡がありました。

 

「やっているお店に今度本を少し置くことになったので、その選書をお願いしたい」

「無償でやってもらうことではない、もちろんお金は出す」

 

嬉しい。

 

10年近く働いて得てきたニッチな知識。

 

いったい書店で働く以外に何の役に立てられるのだろう、というスキルを、お金を出すものだと言ってもらえたこと。

たくさんのプロの方たちが『選書サービス』を行なっている中、私に声をかけてくださったこと。

 

本当にありがたいことです。

 

楽しく頑張りたい。

 

 

 

 

とはいえ、お仕事って突然無くなったりするものだって私たちは知っているわけで、だから、ちゃんと完遂するまで、浮かれたりしない(笑)

 

出来ると良いなぁ。

 

切ないけど、お仕事は蜃気楼。

 

 

 

 

とりかえばや物語(文春文庫)

著者:田辺聖子 出版社:文藝春秋

ISBNコード:9784167904692

都で評判の権大納言家の凛々しい若君・春風と、美しくたおやかな姫君・秋月。実は、男勝りな春風が姫君で、おしとやかな秋月が若君。二人は性別を偽ったまま宮中デビューを果たす。

春風は帝のおぼえめでたく出世街道まっしぐら、秋月は女東宮の尚侍として寵愛され後宮の花となって……。

 

「ああ、このふたりをとりかえられたらなぁ……」という父・権大納言の願いがそのままタイトルになった古典文学です。

古典と聞くと、ちょっと手を出しづらい……と感じる人もいるかと思いますが(私もあんまり得意ではない)、驚くほど読みやすい訳です。そして面白い。

敬遠しがちだったり、頑張らないと近づけなかったりするものに対して、気軽に触れさせてくれる本がとても好きです。

 

平安時代に作られたとされるこの作品ですが、作者が不明なんだそうです。

今では男女逆転の物語って、結構ある気がする。

 

話の面白さももちろんあるけれど、平安時代からこんな面白いものがあったんだ、って思って面白い。

 

平安時代に面白いと思われていたような話が、現代の人たちにも面白く感じられるんだ、って知って面白い。

 

萌えの形って変わらないんだな(笑)

 

ページ数もそこまで多くない一冊ですので、ぜひ気が向いたら。

 

 

 

 

選書させてもらえるお店の雰囲気が、私が好きな本の雰囲気と近い部分があって、気を付けないと私の家の本棚みたいになりそうです(笑)

ちゃんとお店の人にヒアリングして、求められるイメージに寄り添えるようにタイトルを選んでいきたい。

 

ああ、楽しみ。

 

 

 

あれ、もしや私、浮かれてますか?