『カササギ殺人事件』(東京創元社)、4冠を取る作品の力を今……!
お疲れ様です。
結婚する、ということについてほとんど魅力を感じていない私ですが、ふと、とあるタイミングで「誰かと住むのはやっぱり必要かもな」と気が付きました。
リンゴを。
リンゴを美味しく、適量食べたい。
この間安かったから、リンゴを買った。
皮は剥かない。洗って、種の部分を取り除いて、食べた。
食べても食べても、無くならない。
美味しいのに、だんだんお腹が苦しくなってくる。
一人で一つ丸々食べると、水分量がすごいから、ちょっとキツイ。
以前の日記(↓)で語りましたが、飲み物を飲むのが少し苦手なので、リンゴ、しんどい。
フレッシュな顔つきではない。詰んでる。 - 推しを推す、そして万物に感謝する。 (hatenablog.jp)
実家でいつもリンゴを食べるときは、そうだ、誰かと分け合って食べていたんだ。
リンゴは好き。
好きなのに、一人で食べるともう大変。
残すと変色しちゃうし。
かと言って、変色を防ぐために塩水やら砂糖水などに漬けてー……とか考えるなら、全部口に入れる。
美味しく感じられる量を食べたい。
誰かと分け合って食べたい。
リンゴを美味しく食べるためには「リンゴが食べたいな」とふと思った時に「リンゴ食べる?」って聞いて「あ、うん、食べる」って一緒に食べてくれる人がいてくれた方がいいんだな、と思った。
結婚相手じゃなくて、リンゴを一緒に食べてくれる人が欲しい。
身も蓋もない言い方をしていいならば、私にとって都合のいい相手が欲しい(笑)
そしてその相手にとっても私が都合のいい人間だと良い。
お互いの利害が一致していたら、誰かと暮らすのって最高だなと思う。
誰か、リンゴ一緒に食べようぜ。
あと、ポテチのビッグサイズのやつとか。
一人で無理矢理食べ切ってる系のもの、誰か一緒に食べようぜ。
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ISBNコード:9784488265076
1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小さな村の人々へ徐々に波紋を広げていく。燃やされた肖像画、消えた毒薬、謎の訪問者、そして第二の死。病を抱えた名探偵アティカス・ピュントの推理はーー。
このミステリーがすごい!、週刊文春ミステリーベスト10、本格ミステリ・ベスト10、ミステリが読みたい! の各海外部門4冠を取って、『1位』『4冠』の文字が帯にでかでかと書かれていたのを見ながら棚に並べていた作品です。
2019年本屋大賞翻訳小説部門第1位もかな、本当に高く評価された作品。今さら、ようやく、読みました。
これがミステリってやつか……と目をつぶってしみじみと呟いてしまう、クラシカルな雰囲気の文章で、普段読む文体とも違うので、そういう部分でもワクワクしながら読みました。
毎度のことながら「読んでくれ……!」と叫ぶことしか出来ないオススメ下手なのですが、内容以外の部分に触れるとしたら、
これほど気持ちの良い上下巻の使い方もないだろう
ということは強く伝えていきたい。
上巻。登場人物が事件当夜それぞれどんな動きをしていたのか、誰がどんな過去を持っているのか、古き良きミステリの雰囲気、地道な情報の積み重ね、盛り上がりを最高潮に、下巻へ。
っていう綺麗な使い方。すごく美しい。
って、思ってた。
上巻を読み終わって、私たちボルテージ最高潮、みたいな、わぁ、どうなるんだろう、これから、どんな続きを、続きを、早く読まないと、すごく楽しみ、そう思わせる上巻の終わり方。もー、上手なんだからぁ、じらすわぁ、とか思いながら。
そうして下巻を手に取り、表紙をめくった私は、数行読んで、
「ん??????」
ってなって、上巻をちょっと見直す。で、
「……ん????????????」
ってなって、そしてようやく物語の始まりを思い出す。
「ああ……そう、そっか、そうだったね」
名探偵コナンのアニメのCM前、両開きの重そうな扉がギィーーーーバタンっ!って閉まって、CM開け、さあどうなる!? って思ったら扉が開いた先、突然、別世界が目の前に???
電車に乗って、路線Aを走っていたはずなのに、巨人が車両をひょいと持ち上げて、別の線路の上に移動させたような、なんならそんな線路あったんですね??? って、ほんとに、とにかく、すごいんだ。
よく『いい意味で裏切られた』なんて評価の言葉を聞くけれど、裏切りとかいう感じじゃなくて、
「え? 何やった?」
みたいな。
いや、え、どう、どういう、って思う、一瞬思う、戸惑いすごい。
でもそのまま信じて読み進むしかない、ページをめくるしかない。
読者にできることは、まず読むことだから、もう、読むしかない。
読み進めていいよ
4冠を取る作品の力を感じられるよ
評論家じゃないし、面白さに対して敏感でもないし、オススメの言葉も全然生み出せないけど、面白かった、すごいものを読んだ、という気持ち。
いつも世間が盛り上がっている時に手が伸ばせない私です。
遅れて話題のものに触れることばかりですが、その度に「世間から遅れていても、知れて良かった」と思う事が多々あります。
この作品もその一つです。
ぜひ、ワクワクしながら読んでほしい。
よろしくお願いいたします。
読んでいた時のことを思い出して、テンションも文章もおかしい部分がありますが、興奮そのままにお伝えしますこと、お許しください(笑)