推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

カメムシ襲来サンデー

お疲れ様です。

 

 

積雪が各地で猛威を振るっておりますが、私の今いるところもほんの少し雪が積もりました。

 

ちょうど前の週にタイヤ交換をしたところでした。

ああ良かった、間に合った。

 

でも職場で「この辺りの皆さんはタイヤ交換をするんですか?」と聞いてみたところ、ちらほら「今まで一回も変えたことがないよ」という方もいらっしゃって、車で遠出をしないのならばこの辺りはタイヤ交換は必須ではないのか、と拍子抜けしたところです。

 

 

私は大抵、タイヤ交換は自宅でします。幼き頃より『タイヤ交換デー』なる風習が我が家にはございまして、お陰さまでタイヤ交換を自分で出来る人間に育ちました。

一人でやるのは危ないから必ず誰かと一緒にやるようにとは言われています。

(持ち上げた車体がうっかり自分の上に落ちてきたりしたら大変だもんね)

 

 

今年も例に漏れず、実家から

 

『来週の日曜日はタイヤ交換の日です』

 

というメッセージが届きました。

 

 

その日は用事があったので、土曜日に伺ってもいいですか、と聞いてみたところオッケーだったので、その日にタイヤ交換をするために実家に帰りました。

 

 

 

タイヤは、半年ほったらかしの状態です。

袋には入れられているものの、砂だったり、雨水だったりが袋に溜まっている。

 

んー、汚れる、けど、致し方なし。

 

汚れたら洗えばいいし、汚れる前提で作業には臨んでいます。

 

 

 

が、虫がいる。

 

いつもいつも、虫がいる。

 

んもう。

 

 

今回のゲストはカメムシさんでした。

 

袋からコロンと転げ落ちる。

ひっくり返ってジタバタしてる。

 

 

頑張れ、私とは関係ないところで。

 

 

ということで、私はタイヤ交換に取り掛かった。

 

 

私は貴方を気にしない。

だから貴方も近付かないで。

頼んだぞ。

 

 

と、視線を送って。

 

 

 

 

もうすぐタイヤ交換も終わるころ。

 

気が緩んできた辺りで、何かが頭の上に落ちてきた。

 

「ぬあっ?!?!」

 

めちゃくちゃ油断していた。

変な声出た。

 

タイヤ交換を手伝っていてくれた父が「どうしたー?」と反対側から声をかけてくれる。

 

 

「え、いや、分からん、なんか、なんかが」

 

見下ろす。

足元にジタバタしてるのがおる。

 

 

「いや、カメムシが襲撃してきました!!!」

 

 

ああそう、と興味をなくす応答。

 

どっから振ってきたんだ、と見上げるも、屋根があるだけ。

 

足元でジタバタしてる。

最初に見たジタバタしてるやつは、別個体として別のところでジタバタしてる。

 

 

2匹おるやん(笑)

 

 

ちょっともう(笑)

 

 

さんざんタイヤ交換を始める前にも、カメムシがいるよう…と父に零していたので、父も私の反応に「うるさい」とも言わない。

 

 

 

父が何という事もなく言う。

 

「今年はカメムシが多いんだって」

 

そうなの?

 

「だから、柿が食われちゃって、大変なんだって」

 

 

 

カメムシよ……。

 

ジタバタしてるだけかと思ってたら、強く存在を露わにして生きてるんだな。

 

 

 

 

貴方も私も一生懸命生きているんだな。

 

ああ、美味しい柿食べたい。

 

ニュースで「台風の被害が……」とか「バッタの被害が……」とか聞くたびに、自然を相手に、というか、自然と切っても切り離せないお仕事の人たちは本当にすごいなと思う。

自分の力ではどうにも出来ないものを、それでも傾向を知ったり、予想を立てたりして対処していく姿はとても力強い。

すごく大変な事ばかりだと思うから、こんなこと思われても「はぁ?」って感じだとは思うけど。

 

私が頭に襲撃を受けたことによって思い出したカメムシの存在で、生活を脅かされている人がいることをようやく知った日曜日でした。

 

 

 

仕事を題材にした小説で何かを感じることは多い。

ミッキーマウスの憂鬱(新潮文庫

著者:松岡圭祐 出版社:新潮社

ISBNコード:9784101357515

東京ディズニーランドでアルバイトすることになった21歳の若者。友情、トラブル、恋愛…。様々な出来事を通じ、裏方の意義や誇りに目覚めていく。巨大テーマパークの“バックステージ”を描いた、史上初のディズニーランド青春成長小説。

ディズニーランドの裏方のことって書いていいんだ???????? という驚きと共に読んだ覚えがあります。夢の世界だから、そういうのは内緒なんだと思っていました。どこがノンフィクションの部分だろうか、とドキドキしながら読める方にお勧めです。

 

単純な人間なので、嘘でもホントでも、そのお仕事に携わる方の苦労が描かれていると「大変なお仕事なんだなぁ」と感じてしまいます。それが良い事なのか悪いことなのか分かりませんが、でも当たり前に受けているサービスや商品などの質は、その裏に誰かの時間や力があることを思い出させてくれて、お仕事小説はとても好きです。

裏側を描くにあたって、取材などもなされるのでしょうし、全くの嘘ってのもなかなか存在しない気がして、どこまでが本当の部分かなーって楽しく読めるところも好きです。

これは人間(生き物)を相手にしたお仕事ですね。

毎年、新潮社の夏の文庫100冊に選ばれている作品です。ぜひ、読んでみてください。

 

 

 

実家の近所のお寿司屋さんの株が、両親の間で急激に落ちていて、本当に自然(この場合は魚介類という生き物)を相手にするのは大変だな、と思ってその話を聞いていました。

 

ホント、すごいお仕事です。

お寿司屋さんは何があったか、知らん。

 

頑張れ……。