お疲れ様です。
現在、販売員という仕事を離れ、事務仕事をしております。
今まではずっと立ちっぱなしの仕事をしていたわけで、私ってずっと静かに座っていられるのかしら、と今更まさかそんな心配をしなくてはいけないのかと自分に驚いたりもしたものです。
今のところ「奇声を発しながら突然走り出す」などということはしないままで過ごすことが出来ています。
パソコンは使います。その他の主な業務の一つに、電話対応というものがあげられる仕事内容です。
取引のある他の会社さんからかかってくる電話だったり、別の支部?の人からだったり、とにかく毎日たくさんの電話を取っては、担当の社員さんに取り次ぐ、を繰り返しています。
隣の席の先輩はもう電話対応のプロで、取り次ぐ担当者の内線番号も一瞬でパッと見つけるし、はきはき明朗とした声で、聞いているこちらが元気になるような明るさがあって、電話口の相手もきっと気持ちがいいんだろうなぁ、と隣で惚れ惚れしています。
他の人の電話での言葉を聞いていると、勉強になることが多い。
私が
「○○はただいま打ち合わせに出ておりまして……」
と答えている向こうで他の方が
「○○はただいま打ち合わせに入っておりまして……」
と答えている声が聞こえてくる。
…………………………
入る・出る問題。
会議には出席するから「会議に出る」、打ち合わせは? 何故「入る」?
打ち合わせに入る、という言葉自体に違和感はなくて、だけどどうして出るじゃないのか、が気になって仕方ない。
打ち合わせの輪に入る、って感じなのでしょうか。参加する、の意味を「入る」と表現している?
「出る」と「入る」は同じ意味、というと分かりにくいけど、つまりは例えば
エレベータ―で5階のボタンを押す。
目的の階に到着して、扉が開いて、私はエレベーターの壁にもたれていた背中を離した。
この時、エレベーターから「出る」ことと、5階のフロアに足を踏み「入れる」、5階に「入る」、ということは同時に起きているわけで。
エレベーターという小さな箱から外に出るからこの場合は「出る」の方がしっくりくるんだけど、例えばその5階に待ち構えるボスがいたら、とうとう5階に来た、みたいになって「入る」と言いそう。
目的がある場所に行くときは「入る」なのかな。
あとは開放感がある場所に行くときは「出る」とか。
どうやっても外には「出る」って言うなぁ。外に「入る」とは言わない。日陰には「入る」って言うか。でも日陰を「出る」は問題なく使うよな。
外出……外、入…………言わない………逆輸入、みたいな気持ちになる……………
え、そしたら何で「席を外す」なんだろう。「着席」の反対は「離席」? なら「席を離れる」ともいうけど、「外す」って言うなぁ。もしや方言という可能性もあるのか?????
部品? 人間を椅子に付随する何か部品的なものだと捉えれば、部品を外すように人間も席から外すことにはなるのか?? ん?? でもそうすると「席から外す」になるな????
などとどうでもいいことを考えていると、対応が散漫になって、変に噛んだり、よく分からない文法になったりする。
何かを考えながら言葉をしゃべるのは難しい。
などと更にどうでもいいことを考えていると、「△△会社の○○さんからお電話です」と担当者に電話を繋いで「あ、電話出れるので繋いでください」と返された時に
「はーい、転生しまーす」
などという言い間違いをするのだ。
転送しなさい。
宣言して転生すな。
電話の音だから、向こうにもハッキリと「転生する宣言」が聞こえてしまっているのか、そう聞こえたけど気のせいかな、と思ってくれているのか、まさか転生という言葉が電話でされることもないだろうからと言い間違いの可能性すら考えずに気が付かずにいてくださっているのか、私には分からない。
とにかく確かなことは、私が一番笑ってしまって、電話口で思い出すたびに声が震えて、もう、大変だったんだ、笑いをこらえるのが。
最近は「お繋ぎします」と言葉を変えることで、言い間違いは起こさずに済んでいる。でもたぶん3回くらいは転生してる。
だれも好き好んで転生しようとしてないんだわ。
うっかりトラックに跳ねられて気がついたら異世界だった、みたいなこと望んでるわけじゃないんだわ。
自分が発したので自分のせいに他ならないんだけれども、自分の声を思い出すたびにかなり気軽に「転生します宣言」してたなって思って面白い。
「はーい、転生しまーす」
挙手制みたいな。手上げて言う、みたいな。
精進します。