推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

でも赤外線は見てみたい。

お疲れ様です。

 

 

去年は秋がなくて、一気に冬だったけど、今年はありそうだなー。

と思っていたら、突然寒くなりました。

 

未だ冷え冷えの敷布団を使っている私、凍えてしまいそうです。

 

そろそろ交換時期ですね。

 

台風も来ています。色々心配。

 

 

 

 

最近、リモコンの電池を入れ替えました。

電池残量が少なくなってくると、ボタンを押した時の反応が悪くなったり、テレビにリモコンを向けるときに決まった角度じゃないと全く動いてくれなくなったりします。

 

顕著にその症状が現れ出してから、ずいぶんと長い間「頑張れー、頑張れー」とボタンを強めに押して応援しながら使用していました。

また、どの角度が一番反応がいいのかと、儀式か何かなのかというように、あらゆる角度でテレビにリモコンを向けて、電源ボタンを何度も押しました。

 

ある朝、突然動かなくなった。

 

とうとう。

 

いつか動かなくなるのは当たり前で、電池を交換すれば直ぐにまた動くことが分かっているのに、何か生き物の死に直面したような悲しさがあった。扱いもあまり良くない自覚もあったので、すごく申し訳ない気持ちになりました。

 

 

電池を交換しました。

 

 

元気。

 

 

すこぶる元気。

 

 

おかえりリモコン。

 

 

お恥ずかしいかぎりなのですが、リモコンってそもそもどうして電池が減ってくると角度に弱くなるんだろうって思って、今更ながらリモコンの仕組みについて検索してみたりした。

 

 

ボタンを押すと赤外線が出る

テレビがそれを受け取る

中の装置が指示に従ってチャンネルを変えたり音量を変えたり動く

 

 

ということだそうです。

 

うーんと、それで……角度はどういうアレだ?

 

赤外線を出すときに元気がなくなって、その時に広範囲に上手く届けることができなくなる、みたいなことでしょうか。

 

……広範囲なのかい?

 

見えたら分かりやすいのに。

見えたらたぶんリモコンのボタンを押しながら、まっすぐ飛んでいく赤外線をジーっと見て、ははぁとか何とか言いながら、慣れるまで何度も何度も押すと思う。

何度かやった後は、机の上にリモコンを置いて右の人差し指でボタンを押しながら、左の手のひらで赤外線の行き先をブロックするように遮ってみたりして楽しむと思う。

 

でもそういうもの全部見えたら、すごく視界が悪くなるのでしょう。

 

それこそカズレーザーさんの「Wi-Fi飛んでんなぁ」が現実になるということであって、電波の類もめちゃくちゃ飛び交ってると思うので、もう、なんか、実は見えないだけで、視界に隙間などないのかもしれない。

 

目に見えなくて良かった。

 

電波とかと共存できる。良かった。

 

 

人間も共存が難しそうな人はいる。

 

チルドレン(講談社文庫)

著者:伊坂幸太郎 出版社:講談社

ISBNコード:9784062757249

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々--。何気ない日常に起こった5つの物語が、1つになったとき、予想もしない奇跡が降り注ぐ。ちょっとファニーで、心温まる連作短編の傑作。

連作短編、というのか分かりませんが、時系列が結構行ったり来たりしています。でもその順番じゃなきゃダメだったんだ! という気持ちが読み終わってすぐに訪れます。

この陣内さんという人が、もう、すごい。読んでほしい。パンチが強い。いや、そんな馬鹿な、という理屈を自信満々に言ってくるから、ああ、まぁ、そういうことも、まぁ、あるかな……? いや、ないな……? と結局納得は出来ないで終わるような勢いのある言葉が、たまにある、ではなくて、ほとんど、でもなくて、全てがそれで構成されている。陣内さんの言葉の全てが、そういったもので構成されている。

それでも面白く読めてしまうのは、彼の周りに彼の話を聞く人がいて、動かされる人がいるのを読ませてもらえるからだと思う。

ぜひ、その勢いあるエネルギーを浴びてほしい。

 

 

この作品の中に出てくるお付き合いしている男女の二人がいるんですけども、彼女が彼氏の感覚を上手く理解できないと孤独な気持ちになるシーンがある。それを彼女は「もどかしい」と表現する。

それがすごく印象に残りました。

それってなんだか、すごく『愛』って感じがする。どうでもいい人のこと、上手く理解できなくても気にしない。もどかしく思えるっていうのは、ものすごく『愛』なんじゃないかなと思う。

 

 

そして陣内さんの力強さが1冊にまとめ切れるはずがなかった。

シリーズが出ています。こちらも、ぜひ。

 

 

なんの話してたんだっけ、ああ、そうだ、目に見えるものだらけじゃなくて良かったなって話でした。

 

 

本音を言えば、見たいものだけ見て生きていきたい。

 

そういう事だと思います。

 

まとめ方が驚くほど適当だな。

失礼つかまつる!