推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

よろしくどうぞ、出来るかぎり長く。

お疲れ様です。

 

 

先日ふと私の腕についている腕時計を見て、「コレ、可愛いな……」と思ったのですが、気が付けばこの腕時計とはかれこれ10年の付き合いがあることが判明いたしました。

 

そりゃ可愛い。

 

可愛い盛りである。

 

ずっと可愛い盛り。

 

 

お祝いで私の大好きな伯母からプレゼントしていただいたものなのですが、やはり彼女は私の好みをよくご存じで、と申しますか、10年付けていても飽きがこない、年齢に左右されない、シンプルでありながらもどこか愛嬌のあるデザインを選んで下さったこと、ここまで一緒に過ごしてきて、改めてありがたいなと思いました。

 

もし壊れちゃったら、ということを全く想像できません。

 

私の腕にはこの子がいてほしい。

 

この見た目が、このサイズ感が、この形が、この重みがいい。

 

日付も曜日もカウントしてくれるのですが、30日の月と31日の月を区別できない子なので、どんどん日付と曜日がずれていきます。

 

最初の方こそ「あかんやんwww」と笑ってしまいましたが、もう愛くるしくて仕方ない。ちゃんと出来ないことがあるの、可愛い。

 

ずっと愛するからな。

 

でも形あるものいつか壊れるって言葉もあるわけで、たぶんお別れはくる。

寂しさに泣いてしまうと思う。

もしかしたら1週間くらいは一緒に布団に入って眠るかもしれない。

 

それでも私の腕にこの子以外の腕時計が付いていることは想像できない。

 

生まれたばかりの娘が嫁に行くことを考えて泣きそうになる新米お父さんのように、今まだ起きていない別れに心を痛めてしまいそう。

 

 

今までに電池交換は3回、だった気がする。

 

 

これが電池持ちがいいのか悪いのか、そもそも本体を10年使ってるってことも長いのかまだまだ短いのか。他と比べる必要はないとは思うけれど、ないとは思うけれど、気になります。

 

 

 

物持ちはいいと言われて育ってきました。

家にある道具は何年選手でしょうってやつが確かに多い気がする。

 

常に一緒にいる子は特に、これからも大切にして生きていきたい。

 

 

 

服と本は回転速い。

だから手放さずに持ってる書物って本当に自分のお気に入りなんだよなって、余計に手放さなくなります。

水は海に向かって流れる(KCデラックス)

著者:田島列島 出版社:講談社

ISBNコード:9784065144510

高校への進学を機に、おじさんの家に居候することになった直達を迎えにきたのは、見知らぬ大人の女性の榊さんだった。男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まったのだが、直達と榊さんとの間には思いもよらぬ因縁があって……。


居候先の愉快な住人達や学校の友達、直達くんを中心に展開される会話の面白いこと面白いこと。小ネタのオンパレードで、シリアスな場面もちょっと笑かしてくるんですけれど、それがまたリアルに感じます。重苦しい雰囲気をどうにかしようと無理に明るく振る舞ってみたり、そんな覚えのある気遣いが読者に優しくしてくれて、ちゃんと希望も見せてくれて、全部がフィクションにとどまらない、リアルにありそうな気配を醸し出してくる。

似たような境遇ではなくても、セリフや心の在り方にどこか自分に近いものがある気がします。ああ、この気持ち分かるかもしれない、を繰り返して夢中になる作品でした。

 

これは棚がいっぱいになろうが手放さないだろうな、と全3巻読み終わって、しみじみと思いました。出会いに感謝します。

 

 

ホントはどれも手放したくない。

読み終わって何も感じない作品など無いだろうから、どれも手元に置いておきたい。

四次元ポケット欲しい。

 

……四次元ポケットって湿気対策とかしてあるだろうか。

 

本に優しくない環境なら、望まないかな(偏った強欲)

 

 

 

片付け頑張ろう。

自分の手元にあるものがずっと元気であるように、私が責任をもって頑張ります。

 

ですので、どうか。

 

 

一緒に過ごしてもらえたら、嬉しいです。

 

深々。