推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

性自認の話ではない、はず。

お疲れ様です。

 

 

先日「結婚とは何ぞ」と考えておったところですが、考えすぎてきたのか、やはり以前に比べて理屈っぽくなったように思います。

 

「結婚とは何ぞ」とか「愛とは何ぞ」とか考えだすと、「私とは何ぞ」というところまで考えが及んでいくことが多い。

 

なんてめんどくさい人間なんだ。

 

でも、そうなるといつも、とある日のことを思い出す。

 

 

書店に勤めて3つ目の店舗で仕事をしていたときのこと。

 

スタッフさんとバックヤードでお喋りしていた。本当にみんな優しくていい人たちで、作業場所がかぶれば意味のない話から意味のある話まで、よく話した。

 

あまり声を大きくするとお客様からご意見を頂いてしまうこともあるので控えめに、ですけど(笑)

 

 

そのスタッフさんとは、男兄弟がいる、という共通点があって、話の流れは忘れてしまったのだけれど、とにかく服のお下がりの話になった。

私は兄から譲り受けた黒い生地の厚いデフォルメされたゴリラの絵が描かれたパーカーが大好きで、気に入ってよく着ていた。

 

スタッフさんが言った。

「男の子になってみたいとか憧れませんでしたか? 秘密基地とか、男の子楽しそうだなとか」

 

男兄弟がいるあるあるを語り合ったこの時の、何を思い出すかと言えば、実は他の人の言葉ではなく、私自身の言葉なので大変申し訳ない。

 

私は言った。

 

ほんとに、何にも考えずにペロッと口にした。

 

 

「そういえば私は、男の子になりたいと思ったことはないような気がします。女の子になりたいと思ったこともないんですけど」

 

 

自分で口にしながら、頭の上には無数の疑問符である。

 

 

『女の子になりたいと思ったこともないんですけど』??????

 

 

そしてそれに対するスタッフさんの返事が

 

 

「あぁ、なるほど、だから……」

 

 

この時スタッフさんの言葉を遮るように、レジスタッフからの応援要請が入る。ドラマか? というタイミングである。レジ応援に入ってもらうようにお願いしていたスタッフさんだったので、「あっ、いってきまーす」とその場をあとにする。

 

すでに頭の上は疑問符だらけで、そこに更に追加される疑問符。

 

 

『だから……』?????

 

 

その続きは???

続きが聞きたいwwwww

 

 

そもそも私の発言からして、その時は本当によく分からなかった。

 

自分を女性だと認識している以上、『女の子になりたいかどうか』を考える機会がないはず。

女性だと認識していないのであれば、そういった性自認的な話もあるだろうから、なるほど自分は女の子にも男の子にもなりたくないと思っているんだな、と考えられるだけなんだけれど、私は自分のことを生物学的に女性だと認識しているのである。

 

家に帰って、めちゃ考えた。

自分は何を思って、あのように口にしたのだろうかとめっちゃ考えた(笑)

 

たぶんこの場合の『女の子』って、生物学的に云々じゃなくて、ファッションとか、好きなものとか、そういうことを言いたかったのではないかと思う。

とりあえず、雑誌の二コラとかセブンティーンとか買うタイプの小学生・中学生ではなかったことだけは確か。

 

そういういわゆる「女の子」のことだと思う。

 

 

と、結論付けて。

 

じゃああのスタッフさんの「だから……」の意味は?

 

ずっと気になっている。それを聞いて自分がどう変わるかとかじゃなくて、あのスタッフさんに自分がどういう人間に見えていたんだろう、というのが気になる。

 

すごく面白い見解が聞ける気配がしていたので、本当にもったいないというか、残念です。

 

 

色んな人の色んな意見を聞くのって楽しいじゃないですか。

 

自分について、なんてニッチな話題すぎて、誰からも聞くことないし、チャンスだったのにな(笑)

 

 

 

 

有頂天家族幻冬舎文庫

著者:森見登美彦 出版社:幻冬舎

ISBNコード:9784344415263

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。もふもふ京都ファンタジー

先にアニメを見ました。原作はその後です。珍しい順番です。

めちゃくちゃ可愛かった。矢四郎が、矢四郎が可愛すぎて、あの可愛い声で私に向かって何かを言ってほしい。愉快なやり取りに笑い、家族の愛に涙し、疾走感に夢中になる作品です。魅力を書ききれない、いつもそう、全然オススメできてない、ごめん。でも、すごくいいの。見て、読んで。

 

 

 

 

割と中性的な顔らしいということも影響しているのか、起きて、仕事に行く前に化粧をする際に鏡を見て、たまに「男っぽい顔してんな今日」なんて日があるんですけれど、なんかそれはそれでワクワクするものがある。何をもってして「男っぽい」と思っているのか、理由は分からない。

でも、相変わらず自分への興味が尽きない。

 

 

話の着地が全然定まっていませんが、とにかく、なんにせよ、「男らしく」とか「女らしく」とかそういうよく分からないものに振り回されてしんどい人が少なくなればいいなと思います。

 

男の子が可愛いもの好きでもいいし、女の子が料理できなくてもいいし、眠い時に寝ればいいし(ただいま猛烈な眠気に襲われています)、だから、好きにしたらいいんじゃないかなって

 

 

 

おやすみなさい!!!!!!眠い!!!!!