ブルガリだって知らねぇで。
お疲れ様です。
先日、「話題の恋愛を歌った とある曲がなぜ話題になったのか」テレビで解説がされていました。
「誰もが経験したことのある『香水の香りで好きな人のことを思い出す』というシチュエーションが共感を生んだ」
「異文化」というポップ体の文字が頭のてっぺんから扇形になって上に飛び出したわけですが、そうか、みんな、誰しも、香水の香りで、そうか。
うーん。
そうだな。
私は……井草の香りで実家の畳を思い出します。
あとは、夜に近くの道を通る車の音を聞くたびに、夏休みにお泊りに行った祖父母の家を思い出します。
あ、もう既に香りじゃない(笑)
最近気が付いたのですが、どうやら私、挨拶のタイミングがおかしいらしい。
おかしい、というか、今の会社には合っていない、らしい。
本屋時代、シフト制で働く私たちは、時間に関係なく出勤してきたタイミングで「おはようございますー」と挨拶をしていた。
誰一人として定位置など無いので、時間にちゃんと来たよ、売り場にいるよ、と挨拶をして顔を合わせることで、存在を証明しているのである。
出勤してきて、その日にいるスタッフを確認して、みんなに挨拶して店内を回る、というルールみたいなものがあった。
うん、挨拶は大事。
だから、私たちの挨拶は、その日最初に顔を合わせた時にするもの、という認識があって、私の身体にはそれが染みついていた。
今の会社は、みんな朝には出社している。
そしてそれぞれの机があるから、座っていれば出社していることが分かる。
人数が多いフロアなので、全員にわざわざ回って挨拶するようなこともない。
以前、社員のUさんに、顔を合わせたタイミングで挨拶をした。朝一ではなく、たまたますれ違った時のことだ。
「あ、Uさんおはようございます」
「んっ? あれ、俺いま、もしかして寝てた??(笑)」
「おはようございます」は寝て起きた時にする挨拶だという認識をされているのだろう。
Uさんのユーモアが爆発しているお返事をいただいた。
私もまぁ、変なタイミングではあったかな、あったかも、なんて思っていたので、そこから少し雑談をして、それぞれの作業に戻った。
別の日、出社してまだそこまで時間が経っていないタイミングでHさんに会ったので挨拶をした。
「Hさん、おはようございます」
「え? ああ、おはようございます。……え、どうしたんですか(笑)」
ようやく。
遅ればせながら気が付く。
あっ、違うんだ。
挨拶を「わざわざ」する、しに行く、というのは、ここではちょっと違うらしい。
色々あるんだなぁ。
しかし、どっちの方が多いんだろう。
挨拶は「挨拶をするためにその人の元に行くもの」なのか
挨拶は「用事があってその人の元に行った時についでにするもの」なのか
そこにいる人数とか、出社のタイミングや形なんかで色んな「挨拶の形」がありそうだ。
そう思うと、みんなが当たり前にやっている「挨拶」というものが、突然面白いものに感じ出す。
もしかしたら、無言で拳を突き合わせるだけの挨拶をしている民族とかが存在しているかもしれないわけで。
「挨拶」に特化した研究をしている人はいないだろうか。
いたら是非楽しい話を聞いてみたい……。
- 価格: 576 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 462 円
- 楽天で詳細を見る
傍聞き(双葉文庫)
ISBNコード:9784575514537
娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」、元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」など、巧妙な伏線と人間ドラマを見事に融合させた4編。
表題作の『傍聞き』は日本推理作家協会賞短編部門の受賞作。傍聞き(かたえぎき)とは、漏れ聞き効果、信じさせたい情報を別の人に喋って、それを聞かせるということだそうです。
誰かに直接教えてもらうよりも、誰かがしゃべっているのをたまたま聞いた時の方が信じられるような気がするという心理的な働き。
……それがストーリーの中でどう効いてくるのか、ぜひ読んでいただきたいです。
長岡弘樹さんは『教場』など話題になった長編もあります。
- 価格: 693 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 693 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 682 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 715 円
- 楽天で詳細を見る
どちらの長岡弘樹さんがお好みでしょうか。
香水も、ドルチェ&ガッバーナも、挨拶の仕方も、自分が知らないだけで『異文化』とか言っちゃうの良くないよね。
もっと色んなことを知っていたら、楽しいことが増えると思う。
アンテナ張って生きていかないとなぁ、とは常々思っているんですけれども、目の前の楽しい事に夢中で、なかなか難しいですね。
それでは。