推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

その内っ側へのあこがれ

お疲れ様です。

 

 

唐突ですが、私は高尾滋作品の女の子みたいになりたかった。

優しくて、人のことで感情を動かして、大人しいかと思いきや自分の中の芯がしっかりとあって、いざという時に自分の心に正直に動ける、強い心を持った女の子。

 

もちろん彼女たちにはそれぞれ悲しい事や苦しい事があって、それを乗り越えて、もしくは抱えて生きることによる生まれる魅力もあると思う。経験が、環境が、色んなものが彼女たちの力になっていると思う。

彼女たちは美しい。

 

ディアマイン(白泉社文庫)

 天才と呼ばれる10歳の少年とふわふわ癒し系の女子高生の恋物語

可愛いの。歳の差があるからこその葛藤。お互いがお互いのことを考えて考えて近付いていく距離が最高です。そしてヒロインの咲十子ちゃんの優しさと強さ、包容力、感じてほしい。

 

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マダム・プティ(花とゆめコミックス

万里子は父の借金を返済してもらうのとひきかえに30歳も年上の俊と結婚、オリエント急行の旅に出る。豪華絢爛な車中でインド人青年のニーラムらと出会った翌朝、思いがけない悲劇が万里子を襲う……。

どこに結末が持っていかれるのか、ちょっとミステリ要素もあって、色んな魅力にいい意味で振り回される作品です。異国の雰囲気に振り回されたい、と言っても過言ではない。ない。

 

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いっしょにねようよ花とゆめコミックス

宇佐見一子は十五歳の家出少女。河原で佇む一子の前に、お面を被った少年・古白が現れ、驚き気絶した一子が次に目覚めた場所は超個性的な人間たちが共同生活している館だった。

 所在なさげで弱そうに見えた一子ちゃんはやっぱりただ寂しそうなだけの子ではなくて、ちゃんと自分の中で譲れないものだったりを持っている。一子ちゃんの優しさを受けて、周りの人間に変化が生まれるのを見ていられるのは、幸せです。

 

他の作品も、高尾滋さんの作品に出てくる女の子は皆みんな魅力的です。みんな可愛いけど、ヒロインを見ている周りの人たちは、彼女の外側ではなく、内面に触れて心を動かされていく。

 

私は高尾滋作品の女の子みたいになりたかった。

 

こうやって書いてしまうと高望み感すごい(笑)

 

 

 理想の形はこうして誰かに描かれて、こんなにもハッキリとした姿を見せてもらえているというのに、そこにたどりつくのはどうしてこうも難しいんだろう。

 

とはいえ、私が高尾滋作品に出会ったのはお恥ずかしい話ですが大学の時でした。友人のススメで拝読しました。

もっと早くに出会っていたらどうだったろう、などと栓ない事も考えたりしましたが、もう「女の子」になれるとは思っていないし、己の心の汚い部分をこの上ないほど知ってしまっている今、意識して生み出した優しさなど虚しくなるだけだろうと、想像だけで、もう虚しい。

溜息でちゃう。

 

今から何かできることはあるんだろうか。

 

人の言葉はちゃんと聞く、とか、そういう基本的なことが出来てるのか??????

って問いかけ続けて、改善できるところを見つけ次第直していけばいいだろうか。

意識して直した部分は、本当に綺麗なんだろうか。

取って付けたようなちゃんとした部分は、チラッとめくればすぐ下に汚いものが見えてしまうような気がして、その絶望感を味わいたくなくて頑張ることすら止めている。

 

心動かされるステキな作品を沢山読ませてもらっているはずなのに、全然自分を高められていないことに申し訳なさを覚えつつ、だからこそ私は素敵な作品を読みたいんだとも思う。

 

 

自分に足りないものに惹かれるってことだって納得できる。

 

 

憧れの人との共通点一つでは喜べない、そんな大人になってしまったことが寂しい。

ステキな作品を見て、感じて、自分の向上に変えられる人になりたい。

 

うわ、暗い。

前向きかつ暗い記事だと思っていただければ幸いです。

 

 

内っ側、強く美しく生きていきたい。