推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

推しに声が届かないとしても

お疲れ様です。

 

大学の頃、祖母とよく出かける時期があった。一緒には住んでいないのだけれど家が近い。近くだけど、祖母は山の方で、私は平地の方。元々月に一回会っていたペースが、この頃は週に一回だったと言っても大げさではないくらい。

 

聞く音楽が違う。

見るテレビ番組が違う。

生活のリズムが違う。

 

そんな私たちの共通の話題といえば、私の両親のこと。つまり祖母にとっての娘と義理の息子の話に偏った。

私は両親のことがとても好きで、贔屓目かもしれないけれど自分が歳を重ねてきた今、改めて素敵な人たちだなぁと感じている。この気持ちをそのまま祖母に話すと「実の子にそんな風に言ってもらえて、あんたのお父さんとお母さんは幸せものだね」と嬉しそうにする。

今までの記事を読んでくださっている方ならご存知かもしれませんが、私は両親と同じくらい祖母のことも推している。祖母は私の言葉をそのまま受け取ってくれる。

その話の流れで「ばあちゃんのことも好きだよ」と伝えると、「私もよ」と返ってくる。

 

好意を伝えられることに慣れていない私、ただただ素直に照れる。

 

そしてようやくめちゃくちゃ恥ずかしい会話をしていると気が付く。この照れが幸せの形だとでも言うつもりか???

 

 

……とても良い

 

 

基本的に悪い事でなければ相手にそのまま気持ちを伝えてしまうのだが、受け取る人によって意味が変わってしまうことは多い。

母にも直接「可愛い」などと伝えたりするのだが、そうすると「そんなこと言って全くもう」みたいなニュアンスの言葉が返ってくる。

日本人の奥ゆかしさ、謙虚さがそう言わせているのかと思いきや、顔を見ているとどうやら冗談を言っていると感じているらしい。

 

 

伝わらねえ!!!!!

私はいつも本気だというのに!!!!!!

(ちなみに父は、褒め言葉を肯定も否定もせず、無言で受け取る。全部静かに吸収する。どうとも思っていないかもしれない。)

 

 

でもよくよく考えたら、伝えたいのはこちらの勝手な気持ちであって、母には関係のないことなんだよな。どう受け取るかは聞き手に委ねるしかない。

もしかしたら全部真顔で言うから冗談にとられてしまうのかもしれない。笑顔を増やすべきなのでしょうか。

 

人とやり取りをすると、コミュニケーションって難しいなあ、といつも思う。その会話の相手が家族だとしても。

これからも要練習である。

 

 

一緒にアプローチの仕方を見直さないか……?

からっぽダンス(フィールコミックスswing)

著者:阿弥陀しずく 出版社:祥伝社

ISBNコード:9784396766306

惚れる→追いかけ回す→フラれるの3連コンボを繰り返すストーカー警官・久我が出会ったのは、片想いに破れたばかりの美人OL・月島さん。何とかデートにこぎつけたはいいものの、行き先は男性アイドルのコンサートで…!?

どう説明したら今の時代で許されるか分からない、前提として警官がストーカーという、スタートがもうアカン。

しかしフィクションとしてどうにか楽しんでほしい。彼は少し惚れっぽいだけで、ちゃんと人を愛することが出来る人間なんだ。そしてなんかカッコよく見えてくるんだ。悔しいけど、うっ、カッコいいかもしれない……という心揺さぶられる感覚、ぜひ感じてほしい。続きが早く読みたいです。

 

 

人に何かを伝えることを諦めたくはないけど、こっちの都合を相手に押し付けることなかれ。分かるか、ストーカー。

伝わらなくて寂しくても、仕方のないことなんだよ。

 

 

 ……何この締め。

超絶切ない。

 

 

それでは、また。