推しを推す、そして万物に感謝する。

元書店員。日常のオススメやアレコレの話を。

……もしや重要なのは最初と最後の音の一致か。

お疲れ様です。

 

いつも誰かに話しかける前に、一回頭の中で話す言葉を練習する。

突然話しかけてしまって、上手く言葉が出てこなかったとき、「こいつは何で今俺を呼び止めたんだ……?」と思わせてしまう間を作ってしまうと、罪悪感と情けなさと申し訳なさに悲しくなってしまう。それを防ぎたい、というのが一番大きな理由だとは思う。

 

例えば、

「お忙しいところすいません」とか

「ちょっと伺ってもいいですか?」とか

「今、お手隙ですか?」とか

……なんでこんなビジネスライクなの(笑)

とにかく話しかけるタイミングとか、色々脳内でのシミュレーションがいつも忙しい気がしています。(そういえば、以前の記事で六角レンチを貸してほしくて奔走している時も、めちゃくちゃ練習していたな、と思い出す)

で、たまにその脳内での練習で間違えることがあって、そうすると「ああ、練習でよかった」とホッとするのだけれど、ここには罠がある。

 

本番の時に、その間違いが頭を過ぎってしまうのだ。

 

あっ、それは違うやつだよ! と思いながら、そのまま口に出してしまって、やらかすことがよくある。練習意味ない。全然意味ない。世の中はクソだ。誰もお前を愛さない。突然どうした。落ち着け自分。情緒不安定か。

 

さて。

前の職場に「早川さん」という人がいた。すごく優しくて、真面目な人だ。

私は例によって話しかける前に、「早川さんお願いがあるんですけど」を繰り返し脳内で練習していた。掃除のついでにやっていただきたいことがあった、とかそういうお願いだったと記憶している。

その時練習段階で間違えてしまった。「長谷川さん」って。

 

いや、誰よ。

 

世界は私を愛さないので、案の定あれほど気を付けて話しかけたというのに、早川さんに向かって「長谷川さん」と声をかけていた。

 

この間違い方には良いところもある。

元々可能性を感じていた間違い方なので、間違えた時にそこまで狼狽えずに済む、という点だ。そうだ、ポジティブに考えていこう。

 

私は誤魔化すこともせずに、「いや、誰よね、長谷川さんって(笑)」とそりゃもう早川さんに何か言われる前にどうにかしようとした。

そうしたら早川さんは優しい人なので「気にしないでください」と笑った。

その後で「その間違いは今日2回目なので」と続けた。

 

……うそでしょ。

 

そんな経験ある?

 

一日のうちに2回、違う名前で呼ばれることもそんなに多い事じゃないと思うし、同じ違う名前って、いや、表現が分かりづらいけども、そんなことある?

私が知らないだけで、実は名前の呼ばれ間違いはよくあることなのか? 全国の早川さん、どう?(どこにも届かない問いかけ)

『は』から始まる4文字の苗字、結構あるんじゃない?

あえて長谷川さんにする必要性は無いと私は思うのだけど、もしかして長谷川さんと早川さんにはすごい強い結びつきがあるのか?

 

 

そう、例えばバディ物の小説の主人公たちのように?(オススメに対するキラーパス

dele(角川文庫)

著者:本多孝好 出版社:KADOKAWA

ISBNコード:9784041068052

「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する」。それが『dele.LIFE』の仕事だ。

淡々と依頼をこなしていく圭司に対して、新入りの祐太郎は簡単に割り切れずにいて、その関係性がとてもいいです。バディ物最高。「本当にデータ消しちゃうの?」という祐太郎の問いかけは興味本位でデータを覗きたいんじゃなくて、ちゃんと人を人として見ている人なんだな、と思わせてくれます。ドラマも良かったけど、文章もいい。ドラマを先に見てしまったので、圭司は山田孝之さんだし、祐太郎は菅田将暉さんで思い描いてしまうけれど、ピッタリだったなと思います。3巻まで出ています。

 

バディ物で「早川さん」と「長谷川さん」という名前の作品が出てきたら、誰よりも興奮する自信がありますが、わざわざ似たような名前をつけることも意図しなければ無いだろうな、と思うと、なかなか難しそうですね……。

 

しかし、どうして長谷川さんなんだろう……。

 

橋本さんとか花村さんとか、『は』から始まる苗字、他にもあるやん……。

『川』が大事なの……?

いや、わからない、こういうこと考えるの楽しいけど、答えが分からなくて、夏……。(いや、春だわ)

 

 まだ肌寒い日がありますね。

皆さまご自愛くださいませ。